駅から歩いて5分ほどの所に俺達のいきつけのバーがある。
大した店じゃない。暇だし・・・
でもマスターは意味もなく面白い。
たまにかわいい女の子もやって来る。
だから時間をもて遊ぶには、ちょうどいい場所だ。
19:30 当然お客は誰もいない・・・
「マスター、生ビール4つとホットドック4つね!」
お店に入ってくるなり直人が注文した。
しかしマスターの姿はない・・・
するとトイレの中から、
「ハイヨー」
と声がした。
しかしそれから5分、マスターはトイレから出てこなかった。
「マスター聞いてよ。」
「今さっき女の子がからまれてて助けたんだけど、この警察官(ユウヤ)なんにもしないんだぜ。どう思う。」
「いいんじゃないの、いつも直人が先走ってなんとかなっちゃうんだから。」
やはりマスター、よくわかっている。
「今日は朝まで飲むよ、だから全員電車で来たからね。2時で閉めるとか言わないでよ。
「こないだなんか俺、店に入ってビール頼んだ瞬間に『それ飲んだら帰ってくれよ』て言われたからね。」
「まだ12時前にだぜ、まあ慣れてるけど・・・」
直人が立て続けに話をする。
ユウヤが、嫌味いっぱいにマスターに言った。
「大丈夫、今日は付き合うよ。多分・・・」
そして長い夜が、始まった。