「秋元さんが、死んでる。」
「おいおい、朝からやめようぜ。からかうの・・・・」
プツッ・・・・・・
「もしもし もしもし ・・・・もしもし・・・・」
嘘だろ、笑えない。
おかしい、秋元さんの電話なのに間違いなく女性の声だ。
それも聞き覚えのある声。
分からない、とにかくストロベリーズに向かうしかない。
扉を開けるまでに15分とかからなかっただろう。
「嘘だろ・・・」
店の奥の秋元さんがいつも居る場所に、いつものように座っている。
力なくうつ伏せに・・・・・・・・・
どうしようもなく心が痛くなった。
なぜなら、秋元さんの白いTシャツが真っ赤に染まっている・・・。
僕は、あせっていない。
すごく痛い。
痛いが、まだなにも受け止められない。
体が動かない。
「秋元さん!秋元さん!」
・・・・・・ なにも返ってこない ・・・・・・
くやしい、涙があふれる。
ゆるせない。
警察が来るまで僕は、つっ立ったままあなたを見ていた。
その後ろで久実ちゃんが呆然と立ち尽くしていた。
涙するわけでもなく。