なんて気持ちの良い青空なんだろう。
僕は、久しぶりに空を眺めた。
気付けば、秋元さんが死んでからいろんな事が立て続けに起こり、自分自身の事は何も感じられない日々を送っていたような気がする。
きっと犯人は、僕より何倍も自分のことを見失っていることだろう。
「自首すればいいのに・・・・」
僕は、独り言のようにつぶやいた。
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しかし、すばらし青空だ。
僕達の心は、いつ晴れるのだろう。
あの空のように
・・・・・・・・・・・・
次の日の朝、僕はストロベリーズの前に立っていた。
秋元さんを発見した時刻に・・・・・・そして一人の女性を見つめていた。
その女性は、僕に気付いて、うなだれていた頭を起こして小声でなにか呟いた。
うまく聞き取れなかった僕は、女性に近づき声をかけた。
「大丈夫、久実ちゃん・・・・・・・」
「たけさん、話があります。警察にも話してない事です。」
一瞬いやな考えが頭の中をよぎった。
「もしかして、久実ちゃんが犯人なのか・・・・・・・・・・」
泣き出しそうな久実ちゃんを落ち着かせ、近くの僕の店に連れて行った。
そして歩き初めてすぐ泣き始めた彼女、僕は彼女の3メートル前で今までの事を頭で整理しながら歩いた。
「私、見てしまったんです。秋元さんのパソコンの中にある変なファイルを、なにをどうしたのか覚えていないんですが、偶然開いてしまったんです。」
「まずいと思ったけど、見慣れないサボテンの写真だったので、つい読みすすめました。」
「それは、幻覚作用のあるサボテンで、名前は、セブンドリームって言います。」
昔、僕も聞いたことがある。
たしか日本では、輸入禁止のサボテンだ。
なぜ秋元さんがそんなものを・・・・・・・・。
「久実ちゃん、秋元さんのパソコンは何処にあるの。」
「多分、警察だと思う。」
「取り戻そう、向こうには店の顧客名簿がいるとかなんとか言えば大丈夫だろう。だめなら平山さんにたのもう。」
二日後、僕達の手元に警察からパソコンが戻ってきた。
原田ちゃんは、待ってましたとばかりにパソコンを開け、消されているかもしれないファイルの捜索にかかった。
そう、原田ちゃんはIT企業の役員でもあり、PCのプロでもある。
心強い仲間だ。
「たけさん、ちょっと時間掛かると思うから、ここは僕一人でいいよ。見つけたら連絡するから。」
「うん、たのんだよ。」
僕の頭の中には、久実ちゃんが犯人かもしれないと言う考えは、微塵もなかった。
そして、あの三人の事が気になった。