「もしもし、りこだけど。さっちゃん今いい。」
「どうしたの?りこちゃん。少しなら大丈夫だけど。」
「私、昨日の夜直人くんと寝ちゃったの。どうしょう・・・・・・・。まずいよね・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・う、う~ん。」
朝いちばんから、なんて重い内容の電話なんだろう。
まずいよねと言われても、なんとも言い様がない。
『お互い大人なのだから』と言えば済む事なのかもしれない。
「大人同士なんだから、まずいっていう事はないと思うよ。直人君だってきっと・・・・・・・・。」
「そうだよね、しょうがないもんね。さっちゃんがそう言ってくれると安心する。仕事中ごめんね、また電話するね・・・・・じゃあね、ありがとう。」
「じゃあ・・・・・・・・・・。また。」
そうして電話は切れた。
しかし『大人だから』という安易な言葉で終わらせて良かったのか。
いろいろと考えながらでも、不思議と足は勝手に会社へ向かう。
朝の10時、頭もまだすっきりしていない。
仕事の準備もできていない。
朝ご飯も食べれずにイライラしたまま。
そして重い内容の相談。
あの程度の答えしかできないのも無理ないだろう・・・
「今度ちゃんと考えてあげよ!」
会社のオフィスの隣の席のかよから声がかかり、ふとわれに帰った。
ちなみにかよは、私の部下である。
「さちよさん、何か言いました?」
「ごめん・ごめん、独り言。だめねー、独り言言うようになったら・・・・。」
しかしみんな楽しんでるよなー、私も明日のコンパがんばろ!
心の中でつぶやいた。
「かよちゃん、明日のコンパ何歳位の人達なの。」
「25歳前後かな、それとさちよさん、コンパ来週ですよ!」
「・・・・そうだっけ!な~んだ・・・・・・かよちゃん、今夜飲みに行くわよ。いいわね!」
「今夜ですか・・・・・・・・・。」
「だめなの!」
「い、いえ・・・行きます・・・ご一緒します~」
「よろしく!」
玄さんを、誘おう
・・・・・・・いやユウヤにしよ!