俺は思った・・・・・なゆちゃん、いつか青く澄んだ海を見せてやる、と。
「いらっしゃい・・・。」
マスターの声が店内に響いた。
「お姉ちゃん・・・・・・どうして・・・?」
「・・・・・・・・・・なゆ・・。」
どんな顔をしていればいいのか、なんて声をかけていのか、
俺は、一瞬で判断できなかった。
「なゆちゃん、いつものでいい?」
「・・・・は・・はい。」
マスターの一言で、いつもの店の雰囲気に戻った。
さすがマスター・・・・・・心の中でつぶやいた。
「私も今度は、ライブいっしょに連れてってくれないかな・・・。」
「お姉ちゃん・・・・・・。」
「僕も今度のライブは行こうと思ってたから、三人で盛り上がろうよ。」
マスターの声が、なぜだか響く。
「・・・・・・・・・・。」
「そ そうだ、5月24日ライブがあるから必ず来てくださね。必ず楽しいライブにするから。」
俺はその言葉をいったあと、頭の中に俺達、なゆちゃん、ゆかさんが青い海を見ている映像がうかんだ。
「いらっしゃい。」
花屋のオーナーの秋川さんがいつもより早い時間に現れた。
「ジャック ロックでいいですね。」
マスターがお決まりの言葉を言う。
「よろしく。」
お決まりの言葉である。
今夜は、俺もジャックで朝を迎えてみよう。
「マスター、俺も秋川さんと一緒で・・・・お願いします。」